第5回 三菱自動車 国際デザインコンペティション
オリビエ・ブーレイ(三菱自動車工業株式会社 乗用車デザイン本部長)
審査委員長総括
今回のコンペティションには、前回にも増して、世界中から非常にたくさんの応募があったことを嬉しく思っています。そしてまず、応募してくださった皆様に深く感謝いたします。私たち三菱自動車は現在、さらに革新的なデザインアイデンティティを創出していくことの必要性を強く感じています。それと同時に、エモーショナルで動きのあるデザインをとても重視しています。

私は建築デザインにも非常に興味を持っておりますが、クルマというプロダクトは、家電製品や家具とは異なる「動くマシン」だということをしっかりと念頭に置いてデザインするべきものだと思います。また、良いデザインには、見るものが夢をかきたてられるような要素が感じられることも大切です。三菱自動車はこういったより優れたデザインを目指して、常に創造性を高める取り組みを続けています。また、よりイノベイティブで機能的なクルマを世に送り出そうと、日々励んでいます。
これらの取り組みは最近の「グランディス」や「コルト」などをご覧いただければ、はっきりと感じていただけると思います。

今回のテーマである"ジャパニーズモダン"についての私自身の解釈は、単に伝統的なものをそのまま表現するようなものだけでなく、まったく違ったものでもあると思っています。例えば、原宿で見られる文化やファッションなどが良い例でしょう。今回、世界中から集まった応募作品を見てみても、ジャパニーズモダンに対する解釈は実に多様でした。またアイデアにあふれた個性的な作品が多く、おかげで応募作品の審査は非常に白熱し、エキサイティングなものとなりました。また当審査にはデザイン業界に従事する社外有識者の方々にもご参加いただき、貴重なご意見をお伺いすることができました。そして、忌憚のない意見を述べていただくことで、とても満足できる形で各入賞作品を決定することができました。

今後もこのデザインコンペティションの活動を通じ、デザインという共通の言語で世界中の人々とコミュニケートし、様々なユーザーニーズをデザイン開発に反映させていきたいと考えています。
×