では、二次審査で注目された作品を何点かご紹介します。
2次・3次審査において、司会役となるのはJCD理事の飯島直樹氏。会場に向けて作品を紹介する際、パネルをハンディカメラで撮影し、そのまま大きな2つのスクリーンに映します。写真に収められた作品を大画面で表示することによって、再びサイズを取り戻し、擬似的なリアル感を味わうことができました。JCDデザイン賞・公開審査ならではの楽しみのひとつです。
審査員六人満場一致で大賞を受賞した「日産銀座ギャラリー+日産本社ギャラリー」 オーソドックスなデザインだが、圧倒的な力強さがあり、健康的で美しい!と全員が絶賛するほどの実力ある作品でした。広々とした空間に光るシルバーと黒。滑らかなカーブを描く壁や柱など、とにかく見どころ満載です。
特別審査員・宮本亜門賞の「NPC/1」(動物病院)は、病院という枠にとらわれず、室内と屋外が調和した見事な構造。また「+A VIA BUS」は、プログラミング・システムが大きな割合を占める総合的なデザイン技。「ミニマル」は通りかかった誰もが必ず入ってしまいそうな、飾らなさが魅力のカフェです。
全ての審査終了後、審査員へ質疑の機会が設けられました。会場からの“パネルを見て、付箋を貼る・貼らないの違いは?”という質問に対し、「一次審査では300枚近くの作品を短時間で審査しなければならないので、『感覚』で審査することが多い。例えば、宮本亜門賞の「NPC/1」の場合は、動物病院というプログラムとデザインを瞬間的に読み取り、判断するため。」シンポジウムを予定していたのですが、最終審査が豊富な内容となったため、実質的には「最終審査=シンポジウム」となりました。昨年より開始され、今回で2度目となった公開式の審査会。前回に引き続き、充実した審査および結果となりました。また来年の審査会が待ち遠しいところです。
昨年より開始され、今回で2度目となった公開式の審査会。前回に引き続き、充実した審査および結果となりました。また来年の審査会が待ち遠しいところです。