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【ジャパンデザインネット 編集長 / 石井 透】
今年の応募数は、昨年の488作品を更新して過去最高の615作品だった。
この応募数は、電子メールでの挨拶が主流となり、年賀状文化が衰退している時代の中で非常に健闘したといえる。応募作品の内訳は、郵送が159作品、デジタルが456作品と圧倒的にデジタル応募の作品が多い。やはり、郵便での応募数は減っている。しかし、年賀状というテーマに反応するクリエイターの数が、衰えないというのは、とても頼もしいことだ。
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応募作品のレベルは、昨年よりも全体的に上がり、デザインの意図や意味を明確に打ち出している作品が多かった。また、「うさぎ」といった干支や正月のアイテム、新年を想像させる作品が多かった。一方、アイディアは良くても、表現をひねり過ぎたせいで受け手に分かりにくくなってしまった作品も見受けられた。
入選作品は、アナログ応募とデジタル応募の比率ほどデジタルが多いわけではなく、アナログが大健闘している。年賀状のデザインは、デジタルメディアのアイデアやデザインタッチだけでなく、紙の持つ質感や素材感、立体感など様々な要素から作品作りを検討するほうが望ましい。
最優秀作品は、鏡面仕上げの紙にピンクの色紙を貼り付け、剥がすとウサギと鏡が現れる作品だ。紙を剥がすと何かが出てくるという面白さと、明らかに差別化されたエッセンス、そして仕上げの良さが評価され、満場一致で最優秀賞に決定した。
優秀作品は、3点。「富士山」と「うさぎ」を掛けた作品のアイディアが良く、たいへん関心させられた。驚きという部分で、最優秀作品と甲乙つけがたい作品であった。「うさぎ」を箔押しした仕上がりの美しい作品やウサギを数字に見立てたイラストの作品とバリエーションも豊かな作品群が入賞した。
入選の7点は、だじゃれを巧みに表現した作品や「2011」の数字のみでにんじんを描いた作品など写真作品を含めて、表現手法の巧みさと選択の妙を感じた。
読者賞の2点は、タイポグラフィデザインの作品と言えばいいのだろうか、「うさぎ」と「幸」を掛け合わせたなんとも幸福な作品が選ばれていたのが印象的だった。
本アワードは、様々な手法を巧みにデザインに取り入れることができる、質の高いクリエイターが応募してきていることがよくわかる。その為、入賞や入選は少しの差で左右されるケースが多かった。今後は、メガネをかけて見る3D作品など新しい手法を取り入れた作品が増えてくると面白い。いずれにしろ、デジタル作品が多ければ多いほど、アナログ作品が目立つのは、そこに希少性が働くからかもしれない。
(次回のJDN主催のデザインアワードは着々と開催準備に入っています。是非ともご期待ください。皆様からのご応募お待ちしております。)
今年もご応募ありがとうございました。
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― 協賛 ―
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開催趣旨にご賛同いただきました企業の皆様のお陰で「JDN年賀状デザインアワード 2011」を無事に開催することができました。誠にありがとうございました。
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