作品名
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『ガジムヌガタイ−風が語る沖縄戦−』
青年・一般マンガ [講談社]
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作者氏名・プロフィール
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比嘉慂
1953年沖縄那覇市出身。
1994年国立大学職員を退職。1995年単行本『砂 の剣』小学館刊。2003年受賞作『カジムヌガタイ−風が語る沖縄戦−』講談社刊。
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作者コメント |
沖縄戦と向き合うことはこの風土に生まれた者の宿命かもしれない。ましてや何かを 表現する者にとっては、どんなかかわりであれ避けては通れないとも、それほど沖縄の現実はあの戦争と生々しくつながっていると思う。理解したい。その一点で沖縄戦の物語を描いている。今回の受賞は私の大きな支えとなります。評価して下さりありがとうございました。
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贈賞理由 |
時間をかけた取材をもとに、ていねいに描かれた沖縄戦のエピソードは、読みはじめるとぐいぐいひきつけられ、忘れ難い印象を残す。
これは単に過去の事件の再現ではなく、現在に続く日本人の根底にあるものについての物語なのだ。
引き締った構成の短編連作には冗長なところはまったくない。
地味で感情を押さえた描写は、逆に迫力と説得力を持ち、味わい深く何度でも読み返したくなる。
こうした作品が出てきた意義は大きい。
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