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2019/11/21 10:40

【結果速報】JFAファーデザインコンテスト2019、グランプリは自然の力強さを表したコート

JFAファーデザインコンテスト2019、受賞作品と作者の写真「JFAファーデザインコンテスト2019」受賞作品と作者。斬新で個性的な作品が並んだ

11月20日、東京・銀座の時事通信ホールにて、毛皮を利用したファッションのコンテスト「JFAファーデザインコンテスト2019」の最終審査会が開催され、各賞の発表が行われた。

同コンテストは、日本毛皮協会(JAPAN FUR ASSOCIATION 以下、JFA)が主催し、香港やコペンハーゲンなど世界各地の毛皮産業団体・企業が協賛して開催されている。18回目を迎える今年は、テーマを「活かそう自然からの贈り物」としてデザイン画を募集。全国40の服飾専門学校や大学生、一般の方から合計2,413点の応募があった。

一次審査を通過した16点は応募者と職人により作品化し、最終審査会は作品をモデルが着用してランウェイを歩く、ファッションショー形式で行われた。

JFAファーデザインコンテスト2019、審査の様子

モデルがランウェイを歩き、審査員の前で作品をPRする

JFAファーデザインコンテスト2019、審査の様子

一次審査を通過したデザイン画は、2ヶ月かけて実制作された。リアルファーの存在感を前に、審査員も力が入る。

グランプリは吉田千尋さんの、植物の姿をモチーフにして自然の美しさや躍動感、力強さを表現した作品。吉田さんは名古屋モード学園4年生で、これまで数度同コンテストに応募していたが、最終審査に進んだのはこれが初めてとのことだ。コンテスト委員長を務めたJFA理事の塚本喜左衛門さんによると、断トツの全会一致で選ばれたという。

吉田さんには賞金50万円と、デンマーク・コペンハーゲンにある毛皮専門機関「サガデザインセンター」研修旅行、2020年の香港インターナショナルファー&ファッションフェア招待が贈られた。

JFAファーデザインコンテスト2019、グランプリ作品と作者

作品着用モデルとともに記念撮影を行なう、グランプリの吉田千尋さん(名古屋モード学園)

ほか、優秀賞は齋野真央さん(宮城文化服装専門学校)による弱肉強食をメルヘンに表現した作品、コペンハーゲンファー賞には唯野礼菜さん(東京モード学園)による草原を風が駆け抜ける様をモチーフにした作品、サガファー賞には杉本知春さん(一般)の、特殊作業服をベースにメッセージ性をもたせた作品、HKFF賞は水野巧さん(名古屋モード学園)のデザイン作品が、それぞれ選ばれた。

JFAファーデザインコンテスト2019、各賞受賞作品

左から、HKFF賞(水野巧さん作)、サガファー賞(杉本知春さん作)、コペンハーゲンファー賞(唯野礼菜さん作)、優秀賞(齋野真央さん作)

審査員講評で、スタイリストで審査委員長の馬場圭介さんは「毎年審査を楽しみにしているが、今年はびっくりするほど出来栄えが良かった。特にグランプリは気品があって、たとえばレディー・ガガが着たらとてもかっこいいんじゃないか。また、メーカーの努力と熱意にも感服した」、ヒステリックグラマー・デザイナーの北村信彦さんは「毛皮の持つ古典的な価値観は排除して、ニュートラルで斬新なアイデアを基準に選んだ」と今回のコンテストを振り返った。

これらの受賞作品は、国際毛皮連盟が主催する国際毛皮コンペティション、国際毛皮連盟アジア地区主催の国際毛皮コンペティションと、2つの国際コンペにエントリーされる予定だ。

取材・文・撮影:猪瀬香織(JDN)

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