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2018/12/26 10:00

【結果発表】宇宙が舞台のビジネスコンペ「S-Booster2018」、最高賞金1000万円のアイデアは「ロケット海上打ち上げ」に

【結果発表】宇宙が舞台のビジネスコンペ「S-Booster2018」、最高賞金1000万円のアイデアは「ロケット海上打ち上げ」に

近年コンペのジャンルが拡大しているが、最近賑わっているのがビジネスコンペ。その中でも異色の”宇宙ビジネス”のアイデアを募ったコンテスト「S-Booster 2018」の最終選抜会が、11月19日に都内ホールにて開催された。

最高賞金1000万円を獲得したのは、石油開発関連企業に勤める森琢磨さんを代表者とするチーム「森琢磨・山田龍太朗」。宇宙とは関わりがない業界の若手ビジネスマンが、最優秀賞を受賞することとなった。受賞チームの森さんはこのコンペがきっかけで起業したというから驚きだ。

宇宙ビジネスのコンペって?

宇宙ビジネス、というとなかなかピンとこないが、ビジネスの可能性が広がっているとのこと。同コンテストはその宇宙事業を強化しようという国の方針に基づき、内閣府とJAXAが民間スポンサーを巻き込んで2017年に初回が行われた。今年が2回目。

3年以内の事業化を目指す「ビジネスプラン部門」と、10年以内の実現を目指す「未来コンセプト部門」の2部門でアイデアを募集。一次、二次審査を通過したファイナリスト12チームは、4回のワークショップとメンターのサポートを経てアイデアをブラッシュアップさせ、具体的な事業計画に仕上げて最終選抜会に登場、プレゼンテーション審査に臨んだ。

各ファイナリストのプレゼンテーションの様子。各チームともメンターがついて指導を受けているため非常に分かりやすい

最優秀賞に輝いた森さんらのチームのアイデアは「ロケット海上打ち上げ」。森さんらは海上で石油を掘る設備(リグ)に乗船して管理する仕事に就いており、そのリグの40%ほどが最近の石油価格下落で待機状態にあることに着眼した。使われていないリグを安価に購入して、小型ロケットの海上打ち上げ施設に改造するという、実務経験を活かしたアイデアで「ビジネスプラン部門」にエントリーした。

プレゼンでは審査員からは必要な資金や準備工数、収益などさまざまな質問がなされたが、森さんは初期投資想定額の内訳などを端的に説明し、さらに石油価格下落でリグが余っている今が最高のタイミングだとアピール。実現性の高さと、スピード感のある事業ロードマップが高く評価されての受賞となった。

ビジネスコンペへの挑戦が人生の転機に

ビジネスコンペは、アイデアを自分で仕事にしたい、事業にしたいと考えている人にとっては資金と人脈が得られる大きなチャンスだ。さらに、コンペによっては選考が進むと専門家からアイデア実現化の助言が得られることがあるため、成長の機会も得られる。

取材によると、S-Booster2018で最優秀賞を受賞した森さんがビジネスコンペに応募したのはこれが初めてだという。前からアイデアを温めていたというわけではなかったが、選考を通過してワークショップやメンターのサポートを受けるうちに事業の可能性に気づいて起業を決意。なんと最終選抜会当日に、新会社を登記してから会場に来たと言う。

自分が学んできたこと、経験してきた仕事を活かしてビジネスコンペにアイデアを持ち込めば、転身を図るチャンスが拡がっている。学生や起業志向のある社会人には特におすすめしたい。あなたも未来の起業家になれるかも!

S-Booster 2018 公式ホームページ
https://s-booster.jp/

取材・文:猪瀬香織(JDN)
画像:S-Booster 2018 実行委委員会プレスリリースより

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