結果発表

最優秀賞

  • 「By」 廣瀬 雪(東北芸術工科大学)

    By

優秀賞

  • 「THE JAPAN CHAIR」 熊谷 有太郎

    THE JAPAN CHAIR

  • 「Tuo Bench」 廣瀬 雪(東北芸術工科大学)

    THE JAPAN CHAIR

  • 「AURORA アウロラ」 下里 修平

    AURORA アウロラ

奨励賞

  • 「RAMIFY」 熊谷有太郎

    RAMIFY

特別奨励賞

  • 「V-01 Stacking chair」 金木 喜之

    V-01 Stacking chair

主催者より

3回目となる今回は国内外から248点のご応募をいただきました。その内訳は国内から212点、海外16カ国から36点です。前回と比較すると総数は半減しています。原因は今回から設定した応募費用にあるのだろうと考えています。

できるだけ多くの方に飛騨の家具について知って参加いただきたいという思いで、前回までは応募費を設定していませんでした。一方、安易と考えざるを得ない提案も相当数あり、主催者としては数よりも質を高める方向に舵を切ることとし、応募者の皆様にご負担をお願いする判断といたしました。結果、期待通りの作品が集まったというのが審査員、外部アドバイザー全員一致した認識です。

学生を含む若い世代の皆様の参加が多かったことは変わりません。応募条件が変わりましたので前回までとの数字の比較はできませんが、新たなスタート地点として今回の応募には満足しています。

結果、今回の審査はこれまで以上に激戦となりました。前述したように作品全体のレベルが上がったことに加え、回を重ねたことで審査員の本コンテストへの認識も深まり、審査の議論に厚みがでてきたことも一因でしょう。

前回出すことができなかった最優秀賞を出せたことは本当に喜ばしいことです。しかも学生の方からの提案であり文字通り新たな世代との出会いを果たすことができました。また結果としてダブル受賞が2名生まれました。審査は応募者の個人情報を排除して行いますので、まさに実力の賜物でしょう。

最優秀賞とした「By」は、現代的なライフスタイルを反映した着眼点、それを受けた新しい家具のあり方の提案、そしてネーミングやプレゼンテーションのまとめ方を含めた総合力を高く評価しました。構造や強度というハードルはあるものの、製品化に向けたチャレンジ意欲を掻き立てる作品でした。

優秀賞の「THE JAPAN CHAIR」は、数々の名作椅子とは異なる独自の日本的な美しさを放ち、一次審査段階から注目されており最優秀を争いました。「AURORA」は背もたれに変化を付けることで2種類の身体の受け止め方を提供する安楽椅子で、複数を組み合わせることもできる可能性が評価されました。「Tuo Bench」は洗面スペースに求められる機能を盛り込んだ複合的な家具の提案で、審査後に応募者が「By」と同じと分かり驚きの声があがりました。

奨励賞として選出した「RAMIFY」は曲木を活用したシンプルな照明の姿が評価されました。こちらは優秀賞「THE JAPAN CHAIR」と同じ応募者によるものです。3本脚の意欲的な形状の椅子「V-01 Stacking chair」は作者の年齢から奨励賞ではなく特別賞として授賞させていただくこととしました。

石の上にも3年と申しますが、3回目にして本コンテストの個性、あり方が見えてきたようにも思います。応募作品にこめられた皆様の思いを受けとめ、入賞した各作品についての製品化を検討し、世の中に送り出していく努力を続けてまいります。今後も改善を積み重ねて、このコンテストがいつか国内外のクリエイターの登竜門となり、飛騨が家具づくりの一大聖地になることを目指して、努力してまいりたいと考えております。

最後になりましたが、ご応募いただいた皆さま、外部アドバイザーの皆様、取材いただいた報道の皆様、関わっていただいた皆様へ御礼申し上げます。 ありがとうございました。

飛騨木工連合会

外部アドバイザーコメント

  • 川上元美

    川上元美(デザイナー)

    今回はバラエティーに富んだ応募があり、上質なものが多くなったように思います。突出した作品は見出せなかったものの、ほのぼのとしたユーザー目線の提案の最優秀賞「By」を始め学生の作品で目を引くものがありました。一般と学生の応募数が拮抗している中、今後国外からの応募も増えると予測されるところから、何か1点選ぼうと探しましたが今回は叶いませんでした。受賞した作品達が飛騨の家具として世に出て行くことを期待します。

  • 鶴田 浩

    鶴田 浩(リアル・スタイル株式会社 代表取締役)

    この度、初めて飛騨の家具アワード、家具デザインコンテスト審査をさせていただきました。まず、国内外から応募された248作品のレべルの高さに驚きました。飛騨が日本の家具を代表する産地で、商品化を前提としたアワードであり、応募者の高い意識が感じられる作品が多いのが印象的でした。17歳から71歳と幅広い年齢層からの応募があり、最終選考には若手と最年長が選ばれる結果となりました。最優秀賞に選ばれた「By」のデザイナーが大学3年生であることを知らされた時は驚きましたが、コンセプトの素晴らしさ、家族への想いが伝わる温かみのある造形美、プレゼンシートのクウォリティー、そして、試作品を自ら製作している技術力は即戦力につながり、今後が楽しみなデザイナーだと思います。優秀賞の「THE JAPAN CHAIR」も甲乙つけがたい作品で、直球の洗練された日本の造形を生み出していました。鳥居からインスパイアを受けながら、日本刀のシャープさを感じさせます。今後の試作において、上質な座り心地を確立すれば、日本を代表する椅子の一つになることを祈りたいと思います。今後の日本のものづくりを担う、力のあるデザイナーに出会えたことに感謝申し上げます。ありがとうございました。

  • 林 千晶

    林 千晶(ロフトワーク代表取締役、飛騨の森でクマは踊る 代表取締役社長)

    昨年に比べ、丁寧に考え、ディテールまで設計されている応募作品が多く、全体として高品質でした。特に若い方の活躍が著しく、ひと通り選考が終わってから、応募者の年齢を確認したところ、20代の作品が複数入賞していることがわかり、審査員のみんなで驚いていました。喜ばしいことですし、未来がますます明るく感じられました。また、利用場面が眼に浮かぶ提案が多かったことも印象に残っています。造形としての美しさだけでなく、なぜ今、この家具が必要なのか。時代の声に耳を傾け、自分なりに社会にメッセージを発しているような作品と出会えたことで、審査を通じ私自身学ばせてもらいました。改めて、受賞者の皆さん、おめでとうございます。これからのさらなるご活躍を、心よりお祈り申し上げます。

  • 山崎 泰

    山崎 泰(JDN・登竜門 ブランドディレクター)

    応募数は減りましたが全体のレベルは上がり、主催者の意図を汲み的確に表現した提案が多くありました。回を重ねることで、このコンテストの個性、飛騨という地域特性が世の中に定着してきたということでしょう。また審査会での議論から、主催者におけるコンテストへの取り組み姿勢の深まりも感じました。ダブル受賞が2名というのも、新たな家具デザイナーを発掘する趣旨から喜ばしいことと捉えています。これからの展開に大きく期待しています。

主催

協同組合 飛騨木工連合会