結果発表

最優秀賞

該当なし

優秀賞 ※1点のみの選出(2点該当なし)

  • 「リーフチェア/LEAF CHIR」 横田哲郎

    リーフチェア/LEAF CHIR

奨励賞

  • 「Angle chair」 加藤康太(東北芸術工科大学)

    Angle chair

  • 「Komore-Bi」 木下瑛彦(多摩美術大学)

    Komore-Bi

主催者より

2回目となる今回は国内外から576点ものご応募をいただきました。前回が353点なので163%という結果です。
海外からも33の国と地域の皆様から224点ものご応募をいただきました。国内外ともに20代の参加が最も多いのは前回同様です。飛騨の家具について、さらに多くの世界中の皆様に認識いただくことができ、とても素晴らしいことだと感じております。このコンテストは、新たな製品開発を目指すと共に、飛騨について、飛騨の家具について、今の世代の皆さんに知っていただくことを目的として実施いたしました。その意味では、目的のある部分は達成できた、という充実感があります。

一方、審査結果につきましては、残念ながら最優秀賞を出すことができませんでした。また3枠用意した優秀賞についても1枠のみの授賞となりました。これだけ多くの方にご期待いただきながら、このような結果をなりましたことを心苦しく思っております。審査員各社ともに真摯に審査をさせていただいたのですが、製品化という観点からこのような結果となりました。

優秀賞とした「リーフチェア/LEAF CHIR」は、製造の難易度は予想されるもののフォルムの優美さが審査員の挑戦意欲を後押ししてくれました。学生と30才未満を対象とする奨励賞は、ラウンジチェア「Angle chair」とペンダントランプ「Komore-Bi」の2点を選出し、将来の家具デザイナーとしての活躍を期待し授賞させていただきました。

全体を通して、魅力的なデザインが少なかった訳ではありません。ただし、飛騨の技術との相性、安定した品質での量産、市場での受け入れられ方などを考慮すると、「製品化を検討」というハードルを越えられるものが前回より少なかったのは事実です。

主催者としては、私たちが当たり前に思っている、飛騨の技術や特徴についての情報発信が不足しているのではないか、という反省もございます。今回は初の試みとして工場とショールーム見学ツアーを開催しました。また、前回の入賞作についての試作もできあがりましたので、皆さんにご覧いただく機会も作りたいと考えております。今後も改善を積み重ねて、このコンテストがいつか国内外のクリエイターの登竜門となり、飛騨が家具づくりの一大聖地になることを目指して、努力してまいりたいと考えております。

最後になりましたが、ご応募いただいた皆さま、外部アドバイザーの皆様、取材いただいた報道の皆様、関わっていただいた皆様へ御礼申し上げます。
ありがとうございました。

飛騨木工連合会

外部アドバイザーコメント

  • 川上元美

    川上元美(デザイナー)

    応募点数が増えたことは飛騨への期待の表れなのでしょう。ただ、アイデアやプレゼンテーションに不満を感じるもの、素材としての木材や木工技術に対する理解不足の作品も多かったと思います。より多くの若手プロや家具に興味を持つ人々に目を向けて頂くための魅力作り、たとえば賞金を増やす、カテゴリーを分ける、学生部門を設けるなど何らかの改善を検討してもよいのではないでしょうか。優れたデザインを求め、明日を担う新しい才能を発掘し、家具産地飛騨の活性化を、ひいては我が国の家具を世界に向けて発信してことが、時間は掛かりますがこのコンテストの目的と理解しているからです。

  • 黒田 美津子

    黒田美津子(インテリアスタイリスト、スタイルディレクター)

    空間に置いた時のイメージや現在のライフスタイルへの適合、今までありそうでなかった家具、シンプルでデザインに好感が持てるものを推薦させていただきました。使うこと、家庭に置いた状況を考えた提案が選ばれると良いのではないかと考えました。好感を持つ提案が多くありましたが入賞作として選ばれるには、製品として技術等の視点がもう少し必要だったのかもしれません。日々、スタイリングの仕事に携わる中で、現在のライフスタイルが必要としながらも、まだ存在しない家具があるのではないかと感じています。このコンテストはそうした家具を生みだす存在になれるのではないでしょうか。

  • 林 千晶

    林 千晶(ロフトワーク代表、飛騨の森でクマは踊る代表)

    前回と比べて提案の幅が広がった印象がありました。造形としての美しさ以上に、木の家具がもたらしうる新しい機能性や用途を追求しているものが多かったように感じます。たとえば、親子が一緒に座る、そうした関係を作り出す家具や、人の動き方を変える家具などです。残念なのは、木のことを踏まえた提案がされていなかったこと。新しい領域の人たちの「木を使いたい、木を知りたい、でも今は知らない」という状況を変える必要性を感じました。脈々と受け継がれる匠の技に、幅広い人たちが接して、新しい用途を見出す。そのような発展に期待したいです。

  • 山崎 泰

    山崎 泰(JDN・登竜門 ブランドディレクター)

    昨年を大幅に上回る提案を集めることができ、国内外に飛騨のブランド名を届ける役割は果たせているのでしょう。ただ、次代の飛騨を切り開くようなデザインを見出し、デザイナーとのつながりを作り出すという観点からは、残念な結果となりました。企画実施に携わる立場としては、様々な反省をふまえて、次回のあり方を主催者の皆様と考えて参りたいと思います。世界からも日本からも、飛騨が家具づくりの聖地としてさらに認識されるように、良い企画にしていきたいと考えております。今後ともご支援、ご注目のほどお願いいたします。

主催

飛騨木工連合会