結果発表
2015/12/04 14:57

ORGANIC LED Design Competition 2015

受賞作品数:5点
主催:MCパイオニアOLEDライティング株式会社
仮想空間対象部門

ホタル障子
鶴 晃平(アーキコラボ-TSURU)
ホタル障子
審査員選評
和の空間においての光は横からの採光が本来の姿であると考えられるが、従来の光源では大きさや熱などの対処のために、天井に設置しざるを得ない状況となり、なかなか横からの光演出が難しかったと言える。この「ホタル障子」は本来我々が求めてきた横からの光をOLEDパネルを活用することで見事に演出している。薄さ、軽さ、熱を発しにくい、人に優しい眩しさを抑えた光、これらのOLEDの優位性をうまくいかしつつ、さらにコンペのテーマにもなっているフラットな光空間という命題にもしっかりと答えている。パネルの構成もシンプルでわかりやすく、その伝えたい内容と構造を最小限で表現している。そして、何より魅力的だ。(長根 寛)
TO・MO・SU
鶴岡信人、神保太郎
TO・MO・SU
審査員選評
光の位置というのは、熱によるやけど対策だったり、一つの光源で四方八方を明るくするためだったりと、これまでの光源ではそのようにすることがベストな選択だった。LEDの出現により若干変わりつつあるが、眩しさゆえになかなか光の位置は変えられないでいるのが現状だ。この「TO・MO・SU」は、新しい光と人の関係を見事に表現している。光が人に寄り添う形で傍に有り、その寄り添い方にも様々な形態とアプローチ方法が提案されている。新光源OLEDが生まれたことにより「人と光の関係」がこれまでと全く違ってくることを期待させてくれる作品である。(長根 寛)

審査員特別賞 月刊商店建築

Comfetti
大鋸幸絵(OGA DESIGN FARM)
Comfetti
審査員選評
日本に対しての憧れ感を表現してくれる光。
様々な人たちを迎え入れるべき空間で、その季節の日本を光で表現し歓迎する。紙吹雪のように舞い落ちるがごとく空間に浮遊する光の姿は、世界の方々も魅了されるに違いない。
OLEDのカラーチューナブルは1枚のパネルで無限に近い色を表現できる。春の桜吹雪も、夏の緑も、秋の紅葉も、雪が舞い落ちる雰囲気さえも表現できる。日本の伝統芸能の歌舞伎の世界にも通じる紙吹雪は、OLEDの光を使った新しい意志の伝え方につながる。(長根 寛)
実施空間対象部門

審査員特別賞 パイオニア株式会社

plover
三上 勝也(株式会社ハートス)
plover
審査員選評
他人と他人が同じ空間にいると溶け合わず緊張した空気感が流れる。光がその人の心をつむぎ結んでいってくれたら…
プロダクトデザインの提案かと思わせるパネルは「人と人をつむぐあかり」という言葉と、ジグザグした光パネルの連続から成り立っている。パズルの謎解きをするような表現であるが、その意味を窺い知り得ると面白く感じてしまう。光が交差して織物のごとく紡がれて行くという表現は、光を明るく照らして周囲の照度を得るというこれまでの概念とはまるで違う考えであり、新光源のOLEDの使用方法として実現してみたいと思わせる考え方だ。(長根 寛)

審査員特別賞 三菱化学株式会社

Emerge Light
秋葉 圭史、佐藤 早希(株式会社秋葉アトリエ)
Emerge Light
審査員選評
日本人が自然と共に暮らしてきた感性と、最新の人工製品であるOLEDが有意義にコラボレーションできることを表現している作品。光を照明器具として存在させるのではなく、シーンの一部に取り込むことで、暮らしの中に溶け揉むあかりを表現している。実施空間対象部門として、提案内容が具体的であり、実施可能であると考えられ、実際に使用されているその様子を想像させる説得力がある。特に、オーガニックな光としてOLEDを紹介しているこのコンペにおいて、自然との共存をうたうこの提案は我々の思いを実現可能なものとして導いてくれるだろう。(長根 寛)