結果発表
2017/04/19 10:00

未完成映画予告編大賞

応募作品数:285点
受賞作品数:8点
主催:株式会社オフィスクレッシェンド
※ここでは、グランプリ・審査員賞をご紹介します

グランプリ

高崎グラフィティ。
川島直人
あらすじ
高校の卒業式を迎えた、幼馴染の美紀・寛子・優斗・直樹・優の5人。それぞれが将来に不安を抱えていたまま、新生活を待っていた。そんな中、美紀の父親が彼女の入学金をもったまま失踪する。美紀の父親を探す5人だが、同時に寛子は同棲を始める彼氏に浮気疑惑、優斗は先輩に保険金詐欺を強要される等、それぞれがトラブルに襲われ、皆地元の閉塞感が嫌になり始める。美紀の父親の居所がわかった5人は、地元から逃げ出すように車を走らせ始める。道中の出会いや事件、そして父親の真意を前にして、5人は自分について初めて考える。そうして、5人はそれぞれの道へ自ら歩き出す。
審査コメント(一部抜粋)/神 康幸(MI-CAN 事務局リーダー)
激論に次ぐ激論の末、第1回「未完成映画予告編大賞」グランプリは、川島直人監督の「高崎グラフィティ。」に決定いたしました。川島監督、おめでとうございます。
各審査員より高得点を獲得されたのはもちろんのこと、地域に光を当てるという、僕たちの呼びかけに対して、正に「直球勝負!」の企画であり、また各シーンで描かれた青春群像のみずみずしさは、大スクリーンで見たいという強烈な思いを抱かせてくれました。他の作品と比べ企画自体の衝撃度は決して高くはないと思いますが、誰もが通過する「高校3年生最後の1週間」を描き切るストーリーは、10代のみならず幅広い層に訴えかける力があると感じました。きっと、5人の登場人物の誰かに、感情移入してしまうのではないでしょうか。自分の未来を夢見て、また絶望しそうになり「空を見上げる」予告編のラストは、心に突き刺さります。

堤 幸彦 賞

浅草スマイル
林 隆行
あらすじ
売れない夫婦漫才コンビ「浅草スマイル」のすみれが、交通事故で記憶喪失に。唯一漫才だけが、すみれの記憶に残っていると知った相方・マルオは、復活ライブの開催を決意。2人の決死の稽古にメディアも食いつき、後に日本中で話題に。ライブのチケットは速攻ソールドアウト、そしてついに迎える復活ライブ。超満員の観客に緊張する浅草スマイルの2人、いざ、舞台へ…と思っていたところに乗り込んできた、記者の財前。激しい口調で叱責し、ライブの中止を要求してくる財前を振り切り、舞台へと上がる浅草スマイルの胸には、ある思いがあった…。
審査コメント/堤 幸彦(演出家)
力作が並ぶ中で「カヅノ」「浅草スマイル」「東京20K」で悩みました。何れも方向性は違えど“見たい!”作品達。
「浅草スマイル」はその中でもストーリーに浸ってみたいと思うと同時に、予告編で語られない部分=漫才の中身や二人のキャラクター、作品の帰結、に触れたくて決定しました。

大根 仁 賞

沈める渋谷
松澤伊知哉
あらすじ
写真、瞬間の連続により紡がれる物語と芸術を完成させる過程を描く、映画賛歌的作品です。
[あらすじ]田舎から上京してきた写真家“彼”は、雑多な渋谷の街を夜な夜な登りシャッターを切っていた。ある満月の晩、寂れたビルの屋上で彼は裸足で空を仰ぐ一人の青年と出会う。彼は自殺志願者と思われるその青年を力づくで止め、なぜ死ぬのかと問う。青年は暦が書かれた紙を取り出し、今日は赤丸がつけられているからと言うのだが。
審査コメント/大根 仁(演出家)
明確なストーリーや、具体的なテーマを伝えようとする応募作品が多い中で、「なんだかよくわからないけどカッコ良さそう」「なんだかよくわからないけど観てみたい」という、つまりは予告編らしいハッタリが効いていて好感が持てました。
たぶん大当たりか大外れかどっちかだと思うのですが、どっちにしても才能があることは間違いないし、全てのショットが持つ凄まじさには嫉妬すら感じます。どうか大当たりの方でありますように!!

平川雄一朗 賞

こもろの星の淵
白鳥蓉子、大島風穂
あらすじ
宇宙疎開から60年…我々は何を教訓として引き出し、そしてどこへ向かうのか。疎開1世の平均年齢が77.54歳と高齢化し、各自治体では当時の体験を継承する人材を養成しようという動きも出ている。この作品は、とある移民一世の女性の証言をもとに、彼女が地球を発つ前に訪れたという、東アジアエリアの風景を再現したものである。ARRI 235および535Aを使用し、35mmネガフィルムにて撮影。技術検証のため一部RED Dragonを使用。2KスキャンHD仕上げ。
審査コメント/平川 雄一朗(演出家)
圧倒的な情報量の少なさなんだけど、どんな作品になるのだろうと一番興味を持ちました。自然の美しさと生命が宇宙につながっていく何かが見れそうで、どんな物語を紡ぐのか?と。情報が溢れている世の中で、日々の生活に疲れている自分を癒してくれる作品でした。予告編の映像から作り手が持っている優しさを感じたことと、今回のコンテストの名前にある“未完”にぴったりだと選ばせていただきました。

小原信治 賞

十条虚構捜査 ─ 代理脚本家 ─
細井尊人
あらすじ
人気脚本家・若林 徹が、サスペンスドラマ「シリアルキラー」の最終話の執筆を残して自殺した。真犯人が誰なのか、誰にも知らされていなかった。久々の深夜ドラマのヒットとあり、何が何でも視聴者が納得する最終回でなくてはならないとTV局は色めき立つ。若林の遺書から、高校時代の同級生で脚本家志望だった慶が脚本の続きを書かなくてはならなくなるが、現在の慶は一介の私立探偵だ。仕方なく引き受けた慶は、探偵のスキルを駆使し、自分が若林になりきることで真犯人を推理しようとする。慶が、若林の思考の軌跡を辿って行くと、このドラマは、10年前に起きた実際の未解決事件をなぞらえている事がわかる。そして現実の世界は、次第に虚構の世界と交わっていく。
審査コメント/小原 信治(作家)
二次審査こそ通過しなかったものの太田信吾監督の「大津city今恋心」も着眼点やテーマ性、映像の質感など、個人的には最後まで推したい作品だったのですが、最終的に個人賞は一作ということで、総合評価で僅かに上回った細井尊人監督の「十条虚構捜査 ─ 代理脚本家 ─」を選ばせて頂きました。「予告編大賞」という意味では良い意味でハッタリも効いており、まんまと「最終回が観てみたい」と思わされました。実はコメディなんじゃないかという期待とともに読ませて頂いたプロットには予想を裏切られましたが、決して期待を裏切られるものではなかったように思います。