結果発表
2016/11/21 10:00

ジェームズ ダイソン アワード 2016

応募作品数:963点
受賞作品数:3点
主催:一般財団法人 ジェームズ ダイソン財団

国際最優秀賞

EcoHelmet
アイシス・シファー(米国)
問題
近年、レンタル自転車は世界各地で普及してきており、その利用者は数百万人にのぼります。一方、ヘルメットを着用するレンタル自転車利用者はほとんどいない状況で、これは命に関わりかねない危険な行為です。レンタル自転車に限らないものの、昨年の日本全国における自転車乗用中の交通事故死者数は、警視庁交通総務課統計資料によると、572名で全国の交通事故死亡者数4,117名の13.9%を占めています。
解決策
レンタル自転車利用者向けの、リサイクル可能な折りたたみ式ヘルメット、EcoHelmetを開発しました。本作品は、シファー氏が世界3拠点をベースとするグローバルイノベーションデザインプログラムに参加し、2014年に慶應義塾大学大学院にて研究中に、「Kami」という作品名でEcoHelmetの初期コンセプトを見出しました。その後も研究開発を重ね、最終的には、プラット・インスティテュート(米国ニューヨーク市)デザイン学科にて作品の実現に至りました。

国際準優秀賞

Respia
キャサリン・カウェッキ(豪州)
問題
ぜんそく患者には、しばしば息切れやパニックなど意識の混濁を引き起こす症状が起こり、このことは適切な薬や投与のタイミングの見極めを難しくしています。毎年、ぜんそくが原因で25万人もの人々が天寿を全うすることなく亡くなっていますが、多くの場合、適切な診断と手当てを行っ ていれば死は防げたはずでした。
解決策
Respiaは、ユーザーの健康状態と呼吸器の投薬状況をモニター・記録して、ぜんそくの症状を管理するためのシステム。従来の製品とは一線を画した完全な設計の吸入器と、呼吸器の状態をモニターできる世界初のウェアラブル(身につけられる)パッチを一体化したデザインです。
Smart Contact Lens Platform
ホアーイー・ガオ(カナダ)
問題
糖尿病患者の血糖値を測定するには、採血や穿刺などで身体を傷つけなければなりません。これらは手荒な方法で、不便でもあり、痛みも伴います。またこうしたことが、往々にして医療コンプライアンス率低下にもつながります。
解決策
Smart Contact Lens Platformは最先端のエンジニアリングとナノテクノロジーを活用したコンタクトレンズ。搭載したセンサーで、装用者の血糖値を継続的にモニターします。センサーは涙液膜で血糖濃度を感知し、測定値を装用者の携帯電話に送信します。これにより、糖尿病のより良い 自己管理が可能になります。
関連記事