結果発表
2016/05/30 10:00

美術新人賞「デビュー」2016 – 月刊美術 PRESENTS

「月刊美術」主催の公募展《美術新人賞デビュー》。本格的なプロ作家を目指す45歳以下の若手が対象で、入選作品は東京・銀座のフジヰ画廊、ギャラリー和田の2会場での展覧会に出品の他、グランプリ(1名)、準グランプリ(2名)受賞者は個展開催の権利を得られる。

応募総数:202点
受賞・入選作品:26点
主催:月刊美術

グランプリ

迷子はどこにも帰らない
野間祥子(1991年生、武蔵野美術大学大学院在学中)
迷子はどこにも帰らない
選出ポイント
この作品は水彩作品ですが、描写力があり、油彩作品に負けていませんでした。また、水の効果を上手に使った独特な画面構成が良く、人物のこの浮遊感が特徴的で空間把握に独自のものを感じました。墨を使っても面白いものを描いてくれそうです。

準グランプリ

red
原野金一郎(1983年生、創形美術学校卒業)
red
選出ポイント
何かをすごく突き放すような雰囲気があって、そこに現実味を感じました。スタンダードな画面構成であれば、主体となるモチーフを画面の中央に配置し、その後に背景を如何に処理するかを考え、全体構成を落着させます。しかしこの作品はそうではなく、人物を主体としつつも、自動販売機もバーコードも中心に据えられている人物以上に意味を感じさせるところが興味深いです。

準グランプリ

神の島より
須惠朋子(本名:野崎朋子、1975年生、女子美術大学大学院修了)
神の島より
選出ポイント
入選作では、これがほぼ唯一の抽象表現でした。抽象的な表現、岩絵具の素材感を素直に使ったマチエールと発色、この3点が評価できます。発色よりもむしろ、岩絵具の重層による絵肌の強さが特徴的でした。最近はどこも描写系の作品が多い中で、気持ちいいくらいすっきり描かれている作品でした。

奨励賞

麻睡
鈴木明日香(1983年生、東京藝術大学大学院修了)
麻睡
選出ポイント
人間に対する感覚と同じで、パッと見たときの第一印象とオーラが良かったです。この作品はタイトル通り、意識が沈んでいくのを身体表現として提示しており、画面の空気感・雰囲気があります。

奨励賞

ある窓の多い家
藤田吾翔(本名:後藤翔太、1986年生、名古屋デザイナー学院卒業)
ある窓の多い家
選出ポイント
カラスやモチーフの扱いが漫画のようで新鮮でした。構図が少しぎこちないですが、素直な面白さがあります。
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