┃ 公開審査まで 第1次審査 (2月22日〜24日)
第1次審査は、募集締め切り日の翌日から1次審査員によってウエブ上で審査が行われました。
応募作品は、レベルが高く、票が割れて審査が難航しました。第1次審査では、25点の作品の通過を予定していましたが、甲乙つけがたい作品が多く、予定より7点多い32点の作品が第1次審査通過となりました。
┃ 最終審査・一般公開 (3月4日)
最終審査は、3月4日午後2時より東京ビッグサイトのJAPANSHOP会場内、JCDブースにて行われました。最終審査では、第1次審査を通過した32点の作品から、グランプリ1点とゴールドアオード5点を決定します。
−公開審査開始 〜最終審査 (1回目)−
審査方法は、審査員がそれぞれ6枚ずつ付箋を持ち、床に並べられた作品に付箋を貼って投票していきます。審査員と来場者の距離がとても近く、審査中にも審査員を取り巻くように、次々と人の数が増えていきました。どの作品もレベルが高く、票が割れていたので、票が入っているものを残し、その中で2回目の投票を行うことになりました。この時点で残っている作品は17点。審査通過の基準をはかるため、各審査員が、それぞれ投票した作品について選んだ理由をコメントしました。
−作品を絞り込み再投票 〜最終審査 (2回目)−
2回目の審査は、1回目の票を白紙にして、残された作品の中で新たに投票を行いました。通過した作品には、デザイナーの作品、建築家の作品、学生の作品もあり、作品のアイデアが重要な審査基準となりました。2回目の審査は、それぞれの審査員が、4点に投票をしました。既に投票する作品が決まっていて、審査がすぐに終わった方、再度じっくりと時間をかける方と分かれました。
以上2回の投票を経て以下の8点まで作品が絞られました。
以下の作品より、グランプリ1点、ゴールドアオード5点を選出します。
「WRAP SHOP」 山田崇史/ 学生/ 日本
「バス停さんぽ」 team Utatane 須賀博之 池上知見/ 学生/ 日本
「Taxi Bar」 渡邉麻衣/ 学生 / 日本
「STORE PARK」 上田昌弘 清水大地/ 会社員/ 日本
「Turn Vision」 中村耕二 千葉陽祐/ 学生/ 日本
「Floating Reaustrant」 田辺雄之 / 建築設計/ 日本
「スキマ」 稲垣 誠 / デザイナー/ 日本
「MORE THAN A SHOP」 Federico Monica /学生/ イタリア
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−グランプリ決定! 〜最終審査 (最終)−
この審査は、現在の8点から入賞の6点に絞るため、2点落選となる作品はどの作品か、という点で議論になりました。
まず、はじめに、審査員から、「この作品はデザインを超えた思想的な作品である。」という高い評価を得て、Federico Monicaさんの「MORE THAN A SHOP」が、入賞作品とは別に「JCD Special Award」に選ばれました。入賞作品確定のためには、あと1点落選しなければなりません。その中で、何人かの審査員が、「Taxi Bar」をあげ、この作品をはずす理由などで議論になりました。
議論の途中で、この作品の制作者が会場にいたことから、制作の意図をプレゼンテーションする機会が設けられました。しかし、残念ながら、最終的には審査には反映されず、得票数からの判断という判定は変わらず、落選となりました。とてもライブ感の強い公開審査を感じたシーンでした。
「Taxi Bar」の制作者(渡邉麻衣さん)は、公開審査終了後に、「Taxi Barは将来必ず実現したいと思っている。」とJDNに対して話してくれました。
次にいよいよグランプリの選出です。
この時点で、得票数に差が出ていたことから、一番多くの票を得ていた作品「WRAP SHOP」がグランプリに決まりました。制作者の山田崇史さんが、会場内にいたため、グランプリ受賞の喜びの声を聞くことができました。山田さんは、「選ばれるとは思っていなかったので、光栄に思っています。いくつか自分の考えた中で一番身近に感じられて、誰でもどこでもできる案を選びました。」と話してくれました。
杉本貴志審査委員長は今回のコンペについて、
「最後には残るべき作品が残った。作品の概念的なことや、デザインには課題があり、まだ未完成だが、アイデアを持ってやっていくことが大切、未来的なことは必ず日常の中にある。」と締めくくりました。
最後にJCD理事の前田氏から、
「来年も同じテーマでデザインの深度を深めていきたい。コンセプトのみならず企業にインパクトを与える作品が出てきて、いつかこの中から実現できる作品が出てくればよい。」というコメントとともに第1回のJCD国際デザインコンペティションの公開審査会は終了しました。