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最終審査会
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2010年5月28日、都内某所にて最終審査会が開催されました。審査員を務めたのは、インテリアデザイナーの内田繁氏、アートディレクターの北川フラム氏、プロダクトデザイナー・建築家の黒川雅之氏。アート・デザイン界を代表するお三方です(審査員の詳細な紹介はこちら)。
一次審査を通過した202作品が、審査会場に並びました。今回のコンテストでは、太陽電池パネルを使用するという制約がある中で、意匠性のみを追求するのではなく、発電性能を大きく損なわないような提案が求められました。デザイン・アートの力で、従来の太陽電池パネルにどのような価値観が加わるのか、応募作品に期待が高まりました。
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一次審査を通過した作品が厳正に審査された
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審査の結果、グランプリ1点・審査員賞3点・入選11点・ENEOS賞25点と、計40作品の入賞が決定しました。ENEOS賞は、アイデア性に優れた作品が多かったことから新しく追加された賞で、作品のレベルが高かったことをうかがわせます。
太陽電池パネルを使用するという制約があるなか、応募者は、それを感じさせない程の表現を凝縮した質の高い作品を生み出していました。
今後ここから太陽光発電パブリックアートが誕生し、低炭素かつ豊かな社会が実現されることが期待されます。
<審査員総評>
内田繁
「このコンペティションを通して全体に感じられることは、とくにグランプリに輝いた作品にあらわれているのだが、多くのオブジェが自然観と周囲との関係のなかで成立しているといったことである。グランプリ作品の「タイヨーコーハス電」は湖面に浮かぶハスの根茎に似た皿型のオブジェである。いずれもこのコンペに出品されるものはすべて人工のオブジェである。だがこの作品は全体の風景として人の心になにか優しさを与えている。これは固定化したものではなく、自然の風、波によって絶えず揺れ動くものだと想像しながら、これは第二の自然「セカンドネイチャー」だと感じた。」
北川フラム
「全体的に太陽光発電に囚われすぎた作品が多かった。自由な発想で、人に親しまれることがパブリックアートには重要で、太陽光発電の形だけではそのようなアートになりにくいように思った。」
黒川雅之
「鮮烈なアイディアは少なかったが、太陽エネルギーがどう公共空間に生かされるかのいろいろな工夫を見せてくれた。電気にしろ、ガスにしろ、食料にしろ、現代社会ではストックと搬送に多くのエネルギーをかけ過ぎている。地産地消というのがあるが、食物だけではなくすべては使うところでつくるのがいい。ストックと搬送が現代社会の大きな無駄になっている。太陽はどこにでもある。その太陽光線をそのままエネルギーに変換することができたら一番ロスが少ない。残念ながら太陽は夜にはでないし、明かりが欲しいのは夜である。そのために太陽から発電した電気は夜になるまで一旦保存する必要がある。今回のテーマはこの現代的要請を野外彫刻として実現しようという企画である。まだまだこの企画は続ける価値がある。」
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一次審査で絞り込んだ作品を見ながら議論
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審査員の内田繁氏
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審査員の北川フラム氏
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審査員の黒川雅之氏
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ENEOS 太陽光発電 パブリックアートコンテスト委員会の方々
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JDN編集長 石井透
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