国内コンペ /デュポン™ コーリアン® クリエイティブアワード 2011

　キッチンカウンターやストリートファニチャーをはじめ生活のシーンで広く普及している人工大理石「デュポン™ コーリアン® 」を活かしたデザインを募集するコンペティション。テーマは「Corian® with Green～自然とCorian® との調和」。デザイン、アート、建築、ランドスケープ等、様々な分野からコーリアン® ならではの自然との関わり方を追求した作品が寄せられた。
　極小の紙模型シリーズ「テラダモケイ」でも知られる建築家 / デザイナーの寺田尚樹さんらの審査により、グリーンアワード3点と、佳作3点が決定。寺田さんが講評にて「「グリーン」に対するアプローチは、花を愛でる器から、自然や地球といったスケールにまで拡大して解釈した案まで様々なバリエーションがあり、ひとつのものさしで測ることは難しく、楽しいがゆえに悩ましい審査でした」と述べているように、バラエティ豊かな作品が入賞している。

受賞作品数： 6 点
主催： MRC・デュポン株式会社

グリーンアワード（優秀賞）
【 modular wall and floor tile system with green materials 】

賞・賞金

●グリーンアワード　（3点）　賞金各10万円

審査／審査員（敬称略・順不同）

寺田尚樹（テラダデザイン一級建築士事務所）
Corian® with Greenプロジェクト委員会

＊各作品をクリックすると、拡大画像と作者画像をご覧いただけます

受賞作品

■ グリーンアワード（優秀賞）

作品名 : modular wall and floor tile system with green materials
作者名 : 乾弥生
寺田氏評 : インテリアの床、壁をコーリアン® ”with” 異素材で構成する案。プレゼンテーションも明快で、壁や床が盛り上がったような棚や椅子はステキだと思います。拡大解釈になってしまうかもしれませんが、リサイクルということがテーマならば ”with” の素材は自ら植林した木だけではなく、コーリアン® も含め、現場や工場で生まれる端材を利用することもできると考えました。コーリアン® と自然素材を等価に扱うことでその親和性を表現した素晴らしい案だと感じました。

作品名 : スタッキングフラワーベース
作者名 : 佐藤昌平
寺田氏評 : 花器というテーマでは多くの応募がありました。この作品がステキなのは花束のお花が一本一本役目を終えてゆく時間の流れのストーリーを入れ子の花瓶というアイデアで示していることだと思います。最後の一輪挿しが逆さまに収納され、使っていないときの佇まいもカラフルで楽しく、樹脂では表現できないコーリアン® の色と質感をとても良く表現していると感じました。花器として使わないときはアクセサリートレイとしても機能しそうですね。

作品名 : コーリアン®だけがみせてくれる、壁の向こう側の世界。
作者名 : 河野知沙
寺田氏評 : コーリアン® が熱可塑性素材であるということが視覚的にストレートに表現されているのが印象的でした。壁全体が大きなプランターのような印象で、めくれた壁のその向こうの世界を予感させてくれる夢のようなインスタレーションだと思います。その純粋さを示すには、椅子になったりというような形状のバリエーションよりも、プライベートからパブリックの空間まで、様々なシチュエーションでの壁の向こうの感じ方のバリエーションを示した方が、夢がひろがったかもしれません。

■ 佳作

作品名 : giosmile
作者名 : 田中敬久
寺田氏評 : 愛らしい、近くに寄ってみたくなるフォルム。人工物を無理に緑化するのではなく、芝生が自然に盛り上がって人間に寄り添ってくるようなやさしさが伝わってきます。キャラクターにならないギリギリな感じが秀逸だと思います。

作品名 : コモレルマチアイジョ
作者名 : 小島佑太
寺田氏評 : 光を透過する素材であるコーリアン® の特徴を木漏れ日に置き換えたことが印象的で、美しいプレゼンテーションでした。しかし、構造的なことや夜間の様子、バス停としてのサインなどの情報をどう扱うかなど疑問も残りました。

作品名 : コエ・システムフラワーベース / COE - SYSTEM FLOWER VASE
作者名 : 和田真吾
寺田氏評 : 花を生けるという観点に立った、今回のコンペで最も完成度が高かった作品だと思います。コーリアン® だからこそ可能な高い加工精度によって、陶器とは違った精密機械のような気持ちのよい使用感が想像できます。



●その他、詳しい内容はコンテストの公式サイトをご覧下さい