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青木史郎氏インタビュー
主催者側という立場で、グッドデザイン賞を30年以上見てきたという(財)日本産業デザイン振興会のGマーク事業部部長、青木史郎氏にグッドデザイン賞のお話を伺いました。
グッドデザイン賞:http://www.g-mark.org
aoki3-face.jpg
青木史郎
Shiro Aoki
(財)日本産業デザイン振興会
Gマーク事業部 部長

学生時代にアルバイトに来て以来、主催者側という立場でGマークを30年以上見てきているという青木氏。
───グッドデザイン賞とは?
グッドデザイン賞は1957年、通産省が政策的に始めた制度です。大きなきっかけとしては、模倣の問題がまずあげられます。外務大臣がイギリスを訪問した際に、模倣問題で苦情を言われるなどのエピソードがあります。そのため、オリジナリティの高い商品を作って、輸出振興をめざそうと生まれた制度です。
もうひとつは、敗戦後の問題です。戦争に負けて文化まで失ってしまった中で“自国の文化というものをどうやって構築していくか”という意識が、デザイナーサイドに凄くあったと思います。
この制度を継承している「グッドデザイン賞」は、いわゆるデザインのコンクールではありません。政策的なものを背景としてるという点。それと、デザインされた結果が“生活の質を向上させるのか、そのことによって産業の質が変わるのか”ということを論議しているので、普通の賞とは違った視点から出ている賞だと思っています。
良いか悪いかを判断するのはユーザーの問題であって、ユーザーに参考になる、違いがわかる情報を的確に提供するのがGマークの役割と考えています。


───政策的なものというと、今まで力を入れた分野や、モノというのはあったのですか?
具体的なモノというわけではありませんが、未導入分野に対してデザインを導入し、その分野での商品のクオリティーを上げていくという部分についてGマーク制度というのは、非常に効果があったと思います。80年代くらいの話になるのですが、日本のブルドーザーのクオリティーアップにGマークはとても貢献していると思います。コマツさんが、Gマークを牽引してくれたということもありますけれど。
今年度は、部門を細かく設定しているのですが、例えばその中で、家庭内の介護や、セキュリティー、教育といった問題は、とても重要だけれど、デザインにはあまり力が入れられていない。そういった、社会が要求しているけれど苦手な分野、ユーザーに対する選択肢がほとんどなく、クオリティーもあまり良くない。そういう分野の中で、デザインをがんばっているならば、そのクオリティーは、車が100としてその分野は0.5かもしれないけれども、それは評価すべきだと考えています。ですから、その領域がどれだけ成熟しているかという観点で、我々からは下駄を上げ下げしてくれということを、はっきり言ってますし、審査員の方も理解していただいてます。

───印象に残っている商品はありますか?
15年くらい前の話なのですが、戦闘機に変身する腕時計が出た時に、その評価を巡って非常におもしろかったです。いわゆるグッドデザインの理論で言えば、これはとても邪道な商品ですが、うまいことを言う人がいたんです。“自分が息を抜きたい時、切り替えたい時、このような時に必要なものであって、それを本質と見るならば時間がわかりずらい時計があってもいいじゃないか”と言う考え方。
正直言ってその頃の審査はおもしろくなかったんです。しかし、審査で討論や、ディベートができるなら、それをやっていただく場にしていくべきだと考えて、それ以降はかなり気をつけて審査の場を作るようになりました。

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