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審査 2007年1月 |
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「ISSIMBOW “Katachi-koh”」*第9回亀倉雄策賞受賞作品 |
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第9回となる今回は、松永 真氏による「ISSIMBOW “Katachi-koh”」に決定しました。
「カンチューハイ」や「スコッティ」、「ウーノ」など、長きに渡り人々に愛されるヒット商品のデザインを数多く生み出してきた松永氏が、新たに手がけるビジュアル主導型のブランド「ISSIMBOW(イッシンボウ)」。これは、日本最古の医学全書『医心方(いしんほう)』から名付けられ、「ウェルネス」をテーマに、人にやすらぎや、健康的な生活を提案していくプロジェクトです。松永氏は、このプロジェクトを進めるにあたり、企画コンセプトをビジュアル主導で伝えるため、B倍ポスター2種を制作。これがキービジュアルとなり、今後、さまざまな商品やサービスへと発展させていくという計画です。
その第一弾として今春登場する「Katachi-koh(形香)」は、“健”、“美”、“活”のコンセプトを青、赤、黄の三色で展開させた、色鮮やかなパッケージデザインのお香。外装のデザインはもとより、中身の香の形や色など細部にまで氏のデザインが行き届いた製品のクオリティと完成度に高い評価が集まり、今回の受賞となりました。
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[プロフィール]
松永 真 Shin Matsunaga
1940年東京生まれ。1964年東京芸術大学美術学部デザイン科卒。資生堂宣伝部を経て、1971年松永 真デザイン事務所設立。
ポスター、CI計画、パッケージなどのグラフィックデザインを主軸に、ドローイングや彫刻やモニュメントまで広範囲なクリエイティブ活動を行う。主な仕事に、資生堂のサマー・キャンペーン、一連の平和ポスター、セゾン美術館の総合グラフィックから、ベネッセ、ISSEY MIYAKE、国立西洋美術館などのCI計画、スコッティ、カンチューハイ、国際指名デザインコンペで優勝したフランスのたばこジタン、資生堂ウーノのパッケージデザインなどがある。
海外や国内において大規模な個展を開催。
これまでに、毎日デザイン賞、ワルシャワ国際ポスタービエンナーレ金賞・名誉賞、芸術選奨文部大臣新人賞、日本宣伝賞・山名賞、紫綬褒章などを受賞している。
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第1次選考(2006年11月30日)
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日本グラフィックデザイナー協会(JAGDA)の年鑑『Graphic Design in Japan 2007』選考会において、全2,513点の応募作品の中から、年鑑選考委員が候補作品を選出。年鑑の選考で高得票(入選ボーダー票数がカテゴリーによって違うため、出品数の最も多いポスターを基準カテゴリーとし、各得票スコアをコンピュータで補正したスコアを使用。25.1票以上)を獲得した23作品の中から、賞の選考ルールに基づいて、過去の受賞者2名(永井一正氏、原 研哉氏)の4作品を対象外とし、また、1名の候補者につき1作品を候補とするために、複数作品が対象となった2名(浅葉克己氏、佐藤 卓氏)は自ら候補作品を絞り込み、15名の作品が最終候補作品として承認された。
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氏 名
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作品タイトル
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クライアント
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浅葉克己
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「AGI TO KYO TO」ポスターおよびジェネラルグラフィック
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国際グラフィック連盟
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葛西 薫
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「わたしのなかのわたし」雑誌広告
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ユナイテッドアローズ
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菊地敦己
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「青森県立美術館」サイン計画
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青森県立美術館
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軍司匡寛
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「Little Family Tree」ポスター
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LFTレーベル
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古平正義
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「福武ハウス」サイン
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福武總一郎
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権田雅彦
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「魚沼産コシヒカリ米」パッケージ
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JA北魚沼
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佐藤 卓
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「PLEATS PLEASE」雑誌広告
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イッセイミヤケ
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田中竜介
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「グラフィックトライアル2006」ポスター |
凸版印刷
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永井一史
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「伊右衛門」空間デザイン |
サントリー
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永井裕明
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「ウツボムーン」冊子グラフィック |
ウツボムーン
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根岸明寛
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「すごい車内会議」ウェブサイト |
中日新聞など
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廣村正彰
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「竹尾 湾岸物流センター」サイン計画 |
竹尾
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福島 治
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「YAMANOTE TRIP」ポスター |
劇団山の手事情社
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松永 真
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「ISSIMBOW "Katachi-koh"」パッケージ |
医心方
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水野 学
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「NTT DoCoMo iD」新聞広告 |
NTTドコモ
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最終選考(2006年12月15日)
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10名の亀倉雄策賞選考委員により行われた。候補作品と説明資料を確認した上で、ひとり3票までの投票権を持って無記名投票を行ったところ、6票が1作品、5票が1作品、2票が6作品、1票が3作品という結果となった。
作品の大小や媒体、機能、影響力の違いがある複数の作品から1点に絞ることは毎回のことながら大変難しいものがあり、また当該作家の過去の実績を評価すべきか否かといった議論もされたが、「提出された作品そのものの質を評価する」ということがあらためて確認され、討議の結果、5票と2票の開きの大きさを鑑み、上位2作品(浅葉克己氏、松永 真氏)を最終候補とすることとなった。ここで対象者となる松永氏は退席した。浅葉氏の「AGI TO KYO TO」は一連の仕事として、亀倉賞出品時には3作品がまとめて対象となっていたが、その後の討議を経て、フェアな結論を出すために、あらためて3作品のうち最も高い得点を獲得した「ジェネラルグラフィック」のみを対象として残すこととした。最終候補2名の作品は甲乙つけがたく、またどちらも受賞作品としてふさわしいクオリティがあり、「2作品を選ぶ」という結論はないのかという発言もあったが、1年のベスト作品を選ぶという主旨から、最終的にはひとり1票による投票が行われ、5対4という僅差により、松永氏の作品が選ばれた。
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選考委員 (敬称略 ・五十音順)
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JAGDA亀倉雄策賞運営委員
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選考委員長◆永井一正
青葉益輝、サイトウマコト、佐藤晃一、仲條正義、原 研哉、 福田繁雄、松永 真
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ゲスト選考委員
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木島俊介、杉本貴志、土屋耕一
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