A 部門「私が欲しい、私が使いたい仏壇」優秀賞
作者氏名 石垣 美和
制作意図 いつもどこかでつながっている。携帯電話の持つ、その感覚。
たとえ人が亡くなっても、故人と先祖とつながっている。
感謝の心、いつも見守っていてくれる安心感。
住環境の変化に伴いダウンサイズを繰り返してきた、
仏壇は、手のひらの大きさで持ち歩く時代になります。
仏壇の前だけで祈りを捧げるだけでなく、
いつでも、どこでも遺影に手を合わせ、香をたき、リンを鳴らす。
故人と旅行する。故人と食事する。
故人への思いを失わず、思いを携帯する。
そんな「携帯仏壇」です。
講評 今の時代が表現できているということが大きく評価された。
従来の仏壇が一家に1台であるものを、一人に1台と考えた新しい時代へのコンセプトである。
他にも「携帯する仏壇」の作品は多くあったがその中でもこの作品は掛け軸、お線香、ローソクなどをきちんとまつり、コンパクトな中にも『祈り』の姿をきちんと踏襲し、美しくまとめ上げている。
マーケティング優先で人に欲しがられる仏壇という動機ではなく、受けをねらってデザインされてない点が身近に感じ、愛着が湧く。
法要などで大勢の人が一つの仏壇に対して拝むのでなく、まさしく『私の仏壇』=『my 仏壇』ということで、テーマに合っている。
「仏壇を持ち歩く」という発想そのものは、昔から修行僧が、本尊を肌身離さず持ち歩いて信仰していたという原点に戻ったものであるが、故人と生活を共にしたいという愛情が感じられる作品である。