MITSUBISHI CHEMICAL JUNIOR DESIGNER AWARD 2013

募 集 終 了

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  • WEB・ゲーム・デジタルコンテンツ
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  • 結果発表

応募作品数:222点
入賞作品数:14点
主催:MITSUBISHI CHEMICAL JUNIOR DESIGNER AWARD 実行委員会
特別協賛:三菱化学株式会社 協力:株式会社三菱ケミカルホールディングス

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大賞

About my “topos”
「About my “topos”」

杉山 夏実(東京藝術大学大学院 美術研究科 デザイン専攻 修了)

空間デザイン / デザイン研究

制作意図

人間は、場所をどう体験し記憶して土地との関係を構築していくのか?その過程において重要な要素となる土地の特徴は何なのか?それらを可視化することが本研究の目的である。「About my “topos”」では、対象者と対象地の主観的繋がりを平面・立体作品で可視化した。対象地は典型的な郊外の新興住宅地であり私自身が生まれ育った場所である。地域資料や、自分の記憶を描き出した100枚のスケッチを基礎資料とし、計8点の作品群として展開した。

佳作

行為の軌跡 -活字の裏の世界-
「行為の軌跡 -活字の裏の世界-」

荒井 美波(武蔵野美術大学 造形学部 視覚伝達デザイン学科 卒業)

コミュニケーションデザイン

制作意図

人が物に働きかけた行為の軌跡を見ることで、物の奥から人を感じることができる。活字になる前の本のインディーズである文豪の直筆原稿は、書く行為の軌跡である直筆によって、人間性や身体性を感じ取ることができる。普段見ている文字が、人間がペンや筆といった道具を手に持つことで生まれた「書く」という行為の産物であることを再認識してもらうため、筆癖や書き順、ルビや編集の跡などの活字の裏に隠された人間性を立体によって再構成した。


浸都の改築 -海抜ゼロメートル地帯における街区更改計画-
「浸都の改築 -海抜ゼロメートル地帯における街区更改計画-」

涌井 匠(日本大学 理工学部 海洋建築工学科 卒業)

空間デザイン / デザイン研究

制作意図

60万人もの人が海水面よりも低いレベルで暮らす荒川沿いの低地は、高台不足、各施設の老朽化等、多くの危険を抱えています。政府が1987年に発表した高規格堤防整備計画では、今後400年かけて新たな地盤を整備することが示されました。また、首都圏の建築需要は未だに衰えず、毎年10万件以上の新築が建てられます。圧倒的なスケールと凄まじいスピードで進む都市開発。大都市のポテンシャルを有した「建築の力」なら、できてしまった街を少しずつ変えてゆくことも可能です。

三菱化学賞

休耕及び耕作放棄された水田の維持管理のためのデザイン研究
休耕及び耕作放棄された水田の維持管理のためのデザイン研究

森 恭平(九州大学 芸術工学部 工業設計学科 卒業)

プロダクトデザイン

制作意図

現在、休耕と耕作放棄により日本の水田が荒廃している。放置された水田には雑草が繁茂し、病気が発生し、害虫のすみかとなるなどして近隣農家を苦しめる。また、水田は米の生産だけではなく水源の涵養や良好な景観の形成、多様な生態系の構築など多くの役割を担っている。本研究では、水田の機能を保持したまま維持管理していくためのしくみを提案する上で、必要と考えられる畦板と水門、フェロモントラップの3つのプロダクトを設計した。

水野誠一賞

x-ray portrait
x-ray portrait

神田 彩子、林 真由香(武蔵野美術大学 造形学部 基礎デザイン学科 卒業)

コミュニケーションデザイン

制作意図

この制作はレントゲン撮影を用いて、日常的に知覚している二人の情報を排除し、意識下の「ふたり」を描こうとする試みである。CTスキャンとレントゲンを使い実際に複数のペアの撮影を行った。CTスキャンやレントゲンによる画像は物質に過ぎない人間の肉体の有限性を映し出すが、「ふたり」のx-ray写真は通常では映し出されることのなかった内的な心情の存在を浮かび上がらせてくるかもしれない。

石井幹子賞

日常にとけ込む境界線
日常にとけ込む境界線

冨田 太基(東洋大学 ライフデザイン学部 人間環境デザイン学科 卒業)

空間デザイン / デザイン研究

制作意図

日常生活の断片的な時間の中で、人は無意識に行っている行動があるのではないか。それは季節、気温の変化によって日陰のできる場所、または日の差し込む場所を探し出す、そういった行動かもしれない。これは、光と影によってできる「境界線」を、無意識に知覚しているということだ。また、影による境界線は一つの領域をつくり出し、それが時間とともに変化していく。本作品においては「日常にとけ込む境界線」を使用した領域を提案する。

榮久庵憲司賞

Generative Designを用いたモビリティの形態創出法に関する研究
Generative Designを用いたモビリティの形態創出法に関する研究

西村 隆(千葉大学 工学部 デザイン学科 卒業)

プロダクトデザイン

制作意図

本研究は、カーデザインの初期段階で重要な要素となるアイデア展開において、デザイナーの発想を飛躍させる造形の効率的な創出及びカーデザインへの応用に関する研究である。デザイナーの意図に依らないランダムな造形をコンピューターで無数に創出し、それらに対して対話型遺伝的アルゴリズムのアイデアを応用することで、今まで思いつかなかった新しい造形を創出する。デザイナーの新たな発想の一助となるシステムを目指した。

向井周太郎賞

MFE-01,MFE-02
MFE-01,MFE-02

二瓶 宏基(桑沢デザイン研究所 総合デザイン科 プロダクトデザイン専攻 卒業)

プロダクトデザイン

制作意図

大都市の消防団が使う、とても小さな消防車です。「大都市」「消防団」「大災害」をキーワードに、全長2000mm、全幅1300mm、全高1600mmとコンパクトで、密集した市街地でも活動することが可能な車両をデザインしました。また消防団が使う手押しの可搬ポンプに替わり、団員の使い勝手も考慮したデザインとなっています。そして大災害時を想定し、オフロードタイヤなどを装備していたり担架を積むことができます。

柏木博賞

SURVEY THE ISOTYPE -アイソタイプの展望-
SURVEY THE ISOTYPE -アイソタイプの展望-

角田 彰利(武蔵野美術大学 造形学部 視覚伝達デザイン学科 卒業)

空間デザイン / デザイン研究

制作意図

現代の統計図表の先駆けであるアイソタイプに関して誤解が生じていることがしばしば見受けられる。例えば、世界中の多くのデザイナーによる独自のピクトグラムの乱立。棒グラフの代わりにピクトグラムを並べればよいという誤解などである。ここでもう一度、オットー・ノイラートの思想に立ち返り、情報を視覚化する意味や、原理を再考することで、今後のダイアグラム発展の道標としたい。

河原敏文賞

遊糸
遊糸

黒川 萌(武蔵野美術大学 造形学部 視覚伝達デザイン学科 卒業)

コミュニケーションデザイン

制作意図

移り変わる表情・感情こそが人間らしさなのではないかと考え、角度や光によって見える表情が変わる人形を作りました。動かないはずの物に動きを閉じ込めれば、そこに息吹を感じられると思いました。タイトルの「遊糸」とは、早春の頃、空中に蜘蛛の糸が浮遊する現象のことで、あるかなきかのものに例えられるそうです。少女と女性の狭間の、複雑で曖昧で不安定な感情のイメージをこのタイトルにこめました。

坂井直樹賞

TRAM-BUS
TRAM-BUS

星野 佑馬(武蔵野美術大学 造形学部 工芸工業デザイン学科 卒業)

プロダクトデザイン

制作意図

人と街をつなげる新しいモビリティ。古くからの商店街は魅力的なショッピングモールです。しかし狭い路地にあり、公共交通や駐車場が付近にない場合が多くアクセスが不便です。また郊外の大規模ショッピングモールを相手に近年は苦戦しています。トラムバスは、住宅地から商店街へとダイレクトに運行し、コンパクトな車幅で狭い路地でもスムーズに走れます。トラムバスは商店街の利便性と魅力を更に向上させるでしょう。

都築響一賞

塔がつなぐ情景
塔がつなぐ情景

和田 栞(工学院大学 工学部第一部 建築都市デザイン学科 卒業)

空間デザイン / デザイン研究

制作意図

効率化が進む現代社会のなかで故人や祖先に対する価値観や想いが希薄化し、お墓参り代行のような本質を欠いた事業まで広まっている。葬送の瞬間はもちろん大切だが、本当に大切なのは故人を忘れずに想い継続的に弔うことではないか。弔うという行為が日常に溶け込むように、長い歴史を経て地域に馴染じみ役割を終えた建物を用途転換し、都市の中でネガティブな存在となっている葬祭空間を日常の中の特別な場所として提案する。

日比野克彦賞

ヴェサリウスダンス
ヴェサリウスダンス

渡邊 真弓(日本大学 芸術学部 デザイン学科 卒業)

コミュニケーションデザイン

制作意図

アンドレアス・ヴェサリウスによって生み出された解剖図に出会って、人間は骨があり筋肉があるからこそ動き、生かされているということに気付かされた。体の内側と外側の関わりが希薄になってしまっている現代の我々に向けた、骨と筋肉を身をもって実感させるためのダンス、ヴェサリウスダンスを発信する。

茂木健一郎賞

喜怒哀楽 -The 4 feelings-
喜怒哀楽 -The 4 feelings-

菅本 智(東京藝術大学 美術学部 デザイン科 卒業)

プロダクトデザイン

制作意図

喜怒哀楽の帽子。感情そのものを具現化した帽子。人の感情は心臓よりも、頭で考えられたものであり、頭から湧き出た感情を具現化し、帽子として身に纏ったら面白いと思い制作した。静止した立体物の中に感情を組み込むことで、見る人に想像する余地を残し、動きを感じさせた。それぞれ自然物から要素を抽出した(喜「花の芽吹き」、怒「燃え盛る炎」、哀「したたる雨水」、楽「悠然たる雲」)。