東京メトロ銀座線(商業エリア)駅デザインコンペ

募 集 終 了

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授賞式

銀座線 三越前駅、日本橋駅、京橋駅の3駅を対象にし、駅のデザインを募集した東京メトロ銀座線(商業エリア)駅デザインコンペ。『東京メトロを単なる移動手段ではなく、東京メトロに乗るこそのものが魅力的な経験となること』をテーマに、112件もの作品が集まった。

包謹慈氏の作品『PACK – AGE』
包謹慈氏の作品『PACK – AGE』

多くの作品から今回、最優秀賞に選ばれたのは、包謹慈氏の作品『PACK – AGE』。対象の3駅それぞれを“時・町・物・心”という四つの要素を一つのパッケージにし、あらたな時代に紡ぎ伝え、発展させるというコンセプトの作品。

審査員の評価が最も高かった点は、パッケージ化された3駅を、銀座線のシンボルカラーであるオレンジ色の“光のリボン”で、ギフトとしてラッピングするという発想だ。“光のリボン”で3駅を結び、「訪れた人にギフトボックスを与えるような驚きや感動を与えたい」という、ユーザーに向けたあたたかい思いと、あたたかさを感じる光の使い方が審査員の心を掴んだ。

最優秀賞を受賞した、包謹慈 氏(右)
最優秀賞を受賞した、包謹慈 氏(右)

受賞した包氏は、台湾で生まれ、サンフランシスコでデザインを学び、現在は空間デザイナーとして日本で活躍している。「日本の歴史や伝統が大好きで、コンペに参加することで新たな日本の魅力を知るきっかけになればいいと思い参加した」と語った。受賞作『PACK – AGE』には、三越前の呉服、京橋のガス灯、日本橋の木造の橋といったように各エリアに関連したモチーフが散りばめられている。

表彰式の様子
表彰式の様子

今回のコンペは、「伝統と先端の融合」をコンセプトとして行われている銀座線のリニューアル活動の一環として実施された。「集まったたくさんの魅力的なアイデアを、今後のリニューアルに生かしていきたい」と話したのは東京メトロ代表取締役社長である奥義光氏。また、審査員副委員長である多摩大学大学院教授の紺野登氏は「2020年の東京オリンピック、多くの外国人を迎える東京のあり方を考える第一歩になった」と語った。

東洋初の地下鉄として東京の街をつないできた銀座線が、6年後のオリンピックに向けて、どのように今回のコンテストの結果を反映していくのか期待されるところだ。リニューアルは、開業90年となる2017年度までに浅草~京橋間、2022年度までに全駅が完了する予定だ。