第27回 建築環境デザインコンペティション

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応募作品数:77点
入賞作品数:24点
結果発表:2013年12月

ここでは入賞作品の中から、最優秀賞と優秀賞に選ばれた4点をご紹介します

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最優秀賞

棲みかへ -みなで分かち合い、つくり続ける設備-
「棲みかへ
-みなで分かち合い、つくり続ける設備-」

大橋一智、宮崎俊亮、岡崎真也、佐野穂高、中野 舞、
伊藤 統、渡辺高史
(清水建設株式会社)

審査員コメント

紋切り型の高層マンションで空き家となった住戸を減築し、風が吹き抜け、光が差し込む半外部空間とするもので、植物なども育てて近隣住民にも開放し公共化する点に興味を覚えました.いわば古い住宅地で虫食い状に物納された民地が、町づくり事業用地として公的に活用されるパターンの立体化と言えます。(古谷)

建築スケールで真っ向勝負した数少ない提案である。2040年における住宅の空室率36%を超高層タワーマンションのリノベーション計画におけるボイド率に置き換え、ボイド部分を土、木、竹などの自然素材を活用したパッシブシステムに住民自らつくり替え続け、機械設備に過度に依存しない生活を提案している点に共感した。さらに日々設計に明け暮れている社会人グループが日常の設計業務を離れて大胆に提案した点も評価した。(伊香賀)

優秀賞

作品名
「境界のふるまい
-建築・設備・構造の等価な関係-」

坂本達典、稲垣 拓、今林寛晃、岡崎佐和子、
倉持拓也、タライエ・ファラザネ、戸塚千尋、
松原嘉一、赤澤大介

(株式会社山下設計)

審査員コメント

設備の機能を持つ建材で建物を建築するもの。設備と建築の境界をなくして、まさに「設備を可視化した建築」を提案している。今回の課題にまともに取り組んだ意欲的なアイデアである。(田中)

カーボンナノチューブを編み込み設備と構造を一体とした提案であった。チューブ内に冷温水を流し輻射空調を行い、またセーターのように編み込まれた隙間から光の透過により外光を取り入れる提案であった。構造と設備の一体化は古くて新しいテーマであるが、設備更新の必要性から実現の最も困難なものではあったが、腐食性のないカーボンにより第一関門をクリアした。ただし外壁材としての機能を持たせたために、輻射効果について入力値に対し室内空間への出力値がきわめて少なくなる(外部空間への放熱が大きい)ことを工夫する必要があった。(原田)

優秀賞

作品名
「虹かける膜 フィルタリングによって生まれるナナイロの空間」

中村義人、瀧田 曉、糸長大佑、赤澤圭祐、乾 友紀子、
佐々木美奈、末富優太、宮西潤次*
(KAJIMA DESIGN/株式会社アルモ設計*)

審査員コメント

川の上の首都高速道路から、環境装置として機能する数種類の膜を下げ、道路下の水辺空間を改良しようとする試みに注目しました。高速道路だけでなく隣接するビルにも提案されていれば、こちらが文句なく最優秀と思われました。(古谷)

川に架かる首都高速道路の環境を設備装置で改善しようというもの。首都高速道路の改善案は他にも多く寄せられたが、この案は高速道路の四方を囲う設備装置がすべて膜というのが面白い。(田中)

優秀賞

作品名
「季節はずれの風筒(てがみ)」

小林尭礼、黒瀧晃平、眞鍋憲人(千葉大学)

審査員コメント

地下鉄の温風を公園に誘導して季節はずれの花を咲かせようというもの。提案された設備も建築も実に単純だが、設備を花に変えて「可視化」させたところがロマンチックだ。(田中)

代々木公園内の地下鉄排気口に着目し、それを地上に送り込む建築的装置を提案した案で、のびのびとした建築の姿が魅力的であったが、それが公園を横断することに対する疑問もないでもなかった。(西沢)