2013 Graphic Grand Prix by Yamaha

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ヤマハ株式会社とヤマハ発動機株式会社が開催している総合的なグラフィックコンテスト『2013 Graphic Grand Prix by Yamaha』のグランプリが決定した。今年で2回目となる本コンテストは、審査員長にアーティストの日比野克彦氏に加え、新たな審査員として若手アーティストのスプツニ子!氏を迎えた。グランプリを含む各賞は、「TOKYO DESIGNERS WEEK 2013」期間中に実施された最終審査会にて決定した。

応募作品数:769点
入賞作品数:8点
主催:ヤマハ株式会社 ヤマハ発動機株式会社

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グランプリ・オーディエンス賞

行ってきます
「行ってきます」

岡部 望

作品解説

およそ4年間、700回以上の、「行ってきます」。その日の朝に撮った写真は、その日の「待ち受け画面」でした。
ある日、突然、同僚が、「それ、毎朝撮っているのですか?」と訊いてきて、驚かされました。恥ずかしがる私に同僚が一言、「なんか、いいですね!」と。期待していなかった優しい言葉に勇気を得て、いつしか「いつの日か、撮りためた写真をぜんぶ並べて一枚にまとめてみよう」と思うようになりました。
難しいことは何もしていません。撮った順に並べただけです。左上が古く、右下が新しいものです。第二子が生まれた一時期だけ自宅ではなく実家です。誰も写っていない時は、家族が寝坊したか、何らかの理由で手が離せないかの、いずれかだと思います。
やってみたら予想外に幸せになりました。なんらかの方法で記憶を積み重ねて一覧表示してみる行為自体を「いいよ!」と提案したいと思います。

日比野克彦賞

こんな雲いかがですか。
「こんな雲いかがですか。」

松岡啓祐

作品解説

万里の長城で、こんな雲いかがですか。
雲が「万里の長城でこんな雲いかがですか」と私にだけ気がつかせました。ほかのひとたちはだあれも気がつきません。こんなにいっぱいいるのに。だから見上げた私だけが撮りました。それをあなたにお見せします。こんな雲いかがですか。

スプツニ子!賞

マイファッション
「マイファッション」

森 拓馬

作品解説

自分の顔をTシャツに描いて、女の子たちに着てもらい、写真を撮影しました。
作品を見てもらった人達のコメントの中に、「自分が好きなんだね」というコメントを見つけました。自分のことが好きかどうかは別として、みんな制作を通して自分を表現したいのに、なぜ自画像を描かないのだろう?と感じ、そのためのポップな表現を今回の作品に盛り込んだつもりです。
ちなみにタイトルのファッションという言葉には、作り上げるという意味もあります。

優秀賞

PEOPLE IN THE CITY
「PEOPLE IN THE CITY」

PEOPLE IN THE CITY

作品解説

https://www.facebook.com/peopleinthecity2012


暗から明へ
「暗から明へ」

夏井貴広

作品解説

やりたいことや目標は有りながらも、過ぎゆく時間と繰り返しの日々。自分の現状を写し出したところ、そこに色はありませんでした。
しかし、そのモノクロームの中には決して下を向かずに真っ直ぐ前を見つめ、更に先へ進もうとしている自分がいました。
近い将来、目標を達成し、この絵を鮮やかに彩色することができる日が来るのを信じて、今を積み重ねて行きます。


横に長い服
「横に長い服」

浅川慎一郎

作品解説

主にキャンバス・イラストボードにアクリルを使用して、動物、都市、森の風景などを寓話的に描いています。いつもは、同じ人間の種同士でも顔が獣になり言葉も心も通じなくなって争っているような不穏な世界観ばかり描いているのですが、今回は(姿かたちや中身がどれほど異なっていようと)2語で分かるような、瞬間の、率直な相互理解のようなものを素直に表現してみようと思い、描きました。


CDP - Clap Drawing Project
「CDP - Clap Drawing Project」

金箱淳一

作品解説

人は自らの心が動いた時、「いいね!」と拍手をする。その拍手が、人の共感を呼び、音の波が広がっていく。本作品は、そんな「音の持つエネルギー」から、光を生み出す取り組みである。
私が展開しているメディアアートが、ライフラインとしての電気エネルギーに依存する関係にある中で今、メディアアートとエネルギーとの関係性について考えることは必然である。
拍手は言語を超えたコミュニケーションとして成立する。その様を焼き付けるドローイングは、過去のドローイングとは異なる表現として成り立つだろう。時代が変わっても、人を応援し、称える気持ちは普遍的なものであると伝えたい。
本プロジェクトを展開する場所として、石巻を選択した。ワークショップを通して、それまであって当たり前だったエネルギーを自らで生み出すことの意義を感じずにはいられない。


箱庭
「箱庭」

喜多明狸

作品解説

私は普段油絵を描いており、ホームページで作品を公開していますが、モニターで見た場合どうにも見栄えがしないと感じます。ウェブでの作品公開は、作家の存在と作品のだいたいの雰囲気を知ってもらうには有効ですが、アナログ絵は実物を肉眼で見た方が絶対良いのに損だよなあと思ってしまいます。
ならば油絵をデジタルに寄せてみるのはどうか?と、自分の絵を素材にデジタルでコラージュしてみました。私の『好き』と『時間』がギュッと詰まった箱庭です。